悪魔のようなあいつ箇条書き感想 1話・2話

しがないオタクがドラマ「悪魔のようなあいつ」を再放送で追っかけながら箇条書きの感想を書いている記事。

 

■はしがき

ドラマ「悪魔のようなあいつ」とは余命幾ばくの男娼の美青年(実は三億円事件の犯人)が女に追われ男に追われなんやかんやする1975年放送のドラマ。主演はなんと大スター沢田研二さんで、彼に惚れ込んだプロデューサー久世光彦氏のフェチズム(?)も光る逸品。エロ・グロ・倫理的に大丈夫かと言いたくなる過激な描写も多々。故に一部でカルト的人気を誇っています。

一度は見ておきたいと考えていたのですがDVDは廃盤で中古でしか販売がなく、AmazonPrimeでも視聴できるものの微妙な画質かつ数日限りのレンタルで各話324円。どうするべきかと悩んでいたところ、折良くTBSチャンネル2にて1話からの再放送が決定!

これはチャンスだと急いでチャンネル契約。これが念願の初視聴となります。

 

■第一話

・立てばパンタロン座ればサスペンダー歩く姿は白ハット。ただ歩いているだけのオープニング映像なのに、もうそれだけでかっこいい。可門良、やばい。

・のっけから「男を抱きたい」と言い出す謎の美女登場で名作を確信。

・おもむろに現れる上裸の美青年。部屋の内装と動作だけで退廃的でけだるげな雰囲気が充満するのすごいな!?

・迫真のGLIOBLASTOMAと不安になる音楽…独特な演出である。

・野々村が良の頭めがけて帽子を投げるシーン、どうやら藤竜也さんが一発で決めたらしい。す、すごい…!! からの「メス豚抱きに…抱かれんのか」という名台詞。30回は巻き戻した。

・美青年に電話かけながらおもむろに服を脱ぎ始めるヒゲの刑事。笑っていいのかなこれ…。肝心の良はそっけないのが、またふたりの関係性を表していて面白いね。

・1話に2度も濡れ場があることに驚いてしまったんだけど、当時ジュリーファンの方々はどういう目でこのドラマを見たんだろう? 抱いているのに抱かれているように見えるのは彼の持つ雰囲気故か……。上目遣いが良いね。

・で、上記のシーンで暴力的な面を見せてから、ののへ対する優しげな様子も描く。ここ絶妙。

・カウンターに置かれたダイヤル式の電話。じ、時代だー!!

・ドラマでの「時の過ぎゆくままに」はキーが高め。苦しそうに歌う姿がまた艶かしくて素敵。当て振りらしいけれどね(指もよく見ると弦を抑えていない! ジュリーは確かギターを弾けるはずなのに何でだろう)。

・スタジオ撮影なだけあって背景はちょっとチープだけどその作り物っぽさが逆に雰囲気を醸し出してて良い。

総評:エロと耽美とシュールとチープが交互にやってくる不思議なドラマでした。 

 

■第二話

・良ちゃん、まさかのフリフリブラウス姿。これが似合うってんだから恐ろしい。芳村真理さんもそりゃ持ってたブラウスを他人に譲っちゃうよ……。

・今回は序盤に登場「時の過ぎゆくままに」! ノリノリで揺れながら聴く白戸警部が可愛い。

・が、歌い終わってからが辛いシーン。元GSのプリンス(これ相手役がジュリーっていうのがまた面白いね)に過去を暴かれたり森進一の真似して歌えと言われたり淫売となじられたり散々な辱めを受ける良。野々村さんなんで止めないの!?って感じもするけど、良ちゃんには嗜虐心を煽るような雰囲気があるから他人に虐められる様をネットリと見つめていたい気持ちもすごく分かる。

・自分が詰られているときは俯いたまま口を噤んでいたけれど、ののに火の粉が降りかかりそうになると声を荒らげて制止に入るのが彼の性質を表しているのではないだろうか。

・表を持ってずっとスタンバってる白戸警部、なんと愛らしい…。三億円事件って平成生まれの人間にとってはもう歴史の一部くらいの感覚なんだけど、放送当時は本当に時効を迎える時期だったんだよね。サラッと知ってる程度だけど、鮮やかでミステリアスな手口だわ。

・売春で稼いだ金で男を買うってのもまた侘しいな。

・本当なら60円だけど、良ならタダでいいと言い出し、自分の体に触れるように誘導するのの。花売りってやっぱりダブルミーニングなのかな…と思いつつ、良が10万円で買われていることとの対比で胸が苦しくなる。抱けないよね、ののちゃんのことは…。

・ラストの持ち金の1/10分けてやる→はい60円なっていうくだりは茶目っ気あってクスっとできた。好き。

・1話ではギター弾いてなかったけど、こちらではばっちり。…1話、本当になんだったんだろう!? 

総評:良ちゃん目当てで見始めたけど脇を固める登場人物も思いの他 個性が強くて楽しい。

 

3話からどんどん面白くなるらしいので続きも楽しみ。

寅さん雑感 「男はつらいよ」「続・男はつらいよ」

21世紀生まれのオタクが12月の「男はつらいよ」50作目の公開に向け、全作観たいと思い立ち、どうせなら感想をメモしておこうと作成した記事。という名の自分用雑記です。

予備知識:24作目、26作目、30作目は再放送などで視聴済み。登場人物の名前と定番パターンは知ってる程度。

 

第1作「男はつらいよ

お馴染みのとらやでのシーンも少なく、満男がいないと思えばさくらも未婚。

寅さんの服装もちょっと違うし、これでこそ無印!って感じで逆に新鮮。

ホテルって言葉に驚くような時代なんだね。今となっては連れ込み宿という言葉のほうが聞かない。

さくらが珍しい名前っていうのもジェネレーションギャップを感じた。車櫻、たしかにそういう品種ありそう。

家庭でのいざこざに近隣の人が介入してくる感じは昭和ならではの風景だな~。まだギリギリ60年代か…。船の値段とか今じゃ考えられない。

博さん意外にもいいキャラしてたんだな。さくらとの結婚を巡って寅さんと話すシーンの空気感とても良いな~。

イザコザやギクシャクした感じも含め、家族愛の描き方が暖かくて好み。まだ1作目だけど、もしかしたらこの回が一番好きかも。

 

第2作「続・男はつらいよ

寅さんに母親いたんだ!という驚きと、惜しげもなく普通に登場しちゃったのにもまた驚き。お菊さんの関西弁?は独特で字幕なしだと聞き取れなかった…。満州事変という言葉が当たり前に出てくるのも時代を感じる。

「人並み以上の体と人並に近い頭を持っているんだ」先生のこの言葉に大笑いしてしまった。良いなぁ!

病院で騒ぐシーンや無銭飲食のくだりが痛快。これでこそ!

なんだけど、結構つらいシーンも多くて胸がつまることも多々。

特に先生がウナギを食べたいというシーンからの流れ…。あぁ……。

ヒロインの夏子さん素敵ね。